Sep
当時東京から兄貴が持って帰ってきたレコードの中にその不思議な響きを奏でる主はいた。ゆったりとしたラテンパーカッションとドラムのコンビネーション、女性を中心とした男性とのユニゾンボーカル、リズミックでシンコペートしたジャズ風なピアノ演奏で繰り広げられるその響きと歌の数々は有名ヒット曲のカヴァーも沢山入っていたこともあり、好奇心旺盛な中学生の少年の心を一発で虜にした。この都会的でゆるい響きがメジャーセブンコードだと知ったのはずっと後で、それまで発刊されたギター教則本ではまったく知ることはなかったが、何故か平凡パンチ増刊の付録の歌本だけにはしっかり書かれてあり、Cコードの人差し指を離しただけの不思議なその響きはギターを弾きはじめ出したボクのお気に入りコードなるにはそう時間はかからなかった。このサウンドが邦楽に多様され出したのはそれから間もなくで、60年代後半から歌謡曲ぽくない洋楽っぽい国産曲を産み出す原動力にもなり、その後たびたび毎年来日公演を果たした彼らは、新らし物好きの間でファンを増やし続けボサノヴァブームの火付け役として一気に浸透していったのだった。
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